行政書士のお仕事のひとつに契約書、合意書等の作成があります。
先日も合意書の作成をお願いしたいとのご相談があり、無事に業務完了することが出来ました。
当事務所を選んでくださり、ありがとうございます☺
さて、契約書等作成と言っても、行政書士が出来るのは当事者間で取り決めた内容をきちんと法的効力が発生するよう適正に書面を作成する事です。
リーガルチェックもそうですね。
不明確や違法な条項はないか、書式的に合っているか、必要事項などの抜け漏れなどがないかのチェックであって、当事者が取り決めた内容自体を突っ込んだり、相手方と交渉したり、どちらか片方が有利になるよう内容を変更するのは私は不可能という認識でおります。
そういえば『契約書』『合意書』『同意書』『念書』『覚書』『誓約書』とかってあるけど何がどう違うの?と思った方もいるかもしれません。
今日はそのご説明をしましょう!
大きく分類すると、
グループ1:『契約書』『合意書』『覚書』
グループ2:『誓約書』『同意書』『念書』
という風に分けることが出来ます。
グループ1について
『契約書』『合意書』『覚書』というものは、当事者の間における合意事項を書面に記載したものです。
締結をすると書面に当事者双方に記載された事項を守る義務が発生することになります。
その中でも『契約書』と『合意書』と『覚書』は少し違いがあります。
『契約書』は、今後一定の法律関係が生じること(主に取引)を前提に、当事者間で争いのない条項(合意・約束する事項)を明確にするための書類、と定義されております。
他方『合意書』は、取引を始める場合に限らず、当事者間で何か合意した場合にその内容を明らかにするために作成される書類。主に単発的な事象が生じた時に作成される場合が多いですね。
また『覚書』は契約の内容がある程度固まってきた前段階で、その時点での合意内容を確認するために作成されたり、契約締結後に契約内容の不備を補うために作成される書類というもの。
不動産会社にいた時に、境界のことなどで揉めそうになった際に先輩が作成していたのを見た事があります。
グループ1の方は分かりやすく言うと、これからこういう取り決めをしますがお互い約束は守りましょうねという書類ですね。
通常、約束を破った方には損害賠償金や遅延金などのペナルティが記載される場合が多いですが、当事者間の話し合いで無くすことも可能です。
「契約自由の原則」ですね。(根拠法は民法90条、民法91条)
グループ2について
次に『同意書』『誓約書』『念書』ですが、こちらはグループ1と違い、どちらか一方だけが意思表示を示しそれに同意をする場合に作成されます。
最近ではコロナワクチン接種の際に同意書にサインした方も多いと思います。(私は一度も打っていないので実際には見ていませんが…)
私からしたら、後からよく読んでないとか言ってもサインしたんだからこれから何が起こっても自己責任だからね、と無言の圧力を感じざるを得ません。
そしてこちらのグループも、細かく言えば各々違いがあります。
まず簡単に、『同意書』は作成者の同意を内容とする書類で、『念書』は作成者の約束を記載したものという違い。
作成者というのは署名捺印する当事者ですね。書類自体は相手方が作成しても問題はありません。
また、『同意書』は新たに作成者に義務を課すものではありませんが、『念書』は何らかの義務を負う事になります。
『念書』は約束なのでそうなりますね。
他方、『誓約書』は『念書』とほとんど同様のものではありますが、強いて上げれば『誓約書』は約束を守ることを相手に誓約することに主眼が置かれているのに対し、『念書』は義務を負うことを自ら認める事に主眼が置かれているという違いがあります。
一般的には、会社等に出すフォーマルなものは『誓約書』で個人間でのものは『念書』という使い分けがありますが、正直どちらを使用しても問題はありません。
簡単にこのような違いがあります。
他にも『示談書』だとか『確認書』だとかありますが、いずれも上記6つの中のどれかに近いものとなります。
どれが一番いいのか?とお悩みの方は、当事務所でも契約書等の作成を承っております。
一から作成する他にも、自分たちで作ってみたけどちょっとここどうなのかな?と確認したい場合でもお気軽にご相談ください😊
誠心誠意、きちんと法に則りアドバイスいたします。
コメントをお書きください