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いわき市 で行政書士をやってて一番刺さった一言

先週、お客様から贈り物が届きました。

 

箱の中には可愛らしくラッピングされた珈琲やハーブティーなど。

 

箱を開けながら、少し戸惑いました。

 

なぜなら、私はそのお客様に対して、いわゆる「仕事」をしていないからです。

 

申請書類を作ったわけでも、代わりに手続きを進めたわけでもない。

 

「不安だから、同席してほしい」

 

それだけのご相談でした。

 

 

何もできなかった、と思っていた

 

そのお客様は、ある申請をする必要がありました。

 

窓口で何を言えばいいかわからない、一人で行くのが心細い。

 

そんな不安の中で、当事務所にご連絡をくださいました。

 

私がしたことは、隣に座っていることだけです。

 

窓口での対応を見守り、必要があれば補足し、お客様が言葉に詰まったときにほんの少しだけ助け舟を出す。

 

それだけ。

 

しかも、申請は通りませんでした。

 

要件を満たしていなかったのです。

 

どれだけ書類を揃えても、どれだけ丁寧に説明しても、制度上の要件を満たしていなければ申請は受理されない。

 

それが現実です。

 

結果だけを見れば、私は何もできなかった。

 

むしろ、力になれなかったと言うべきかもしれません。

 

だから、贈り物が届いたとき、正直なところ驚きました。

 

 

返ってきた言葉

 

お礼の連絡を入れると、しばらくしてこのようなメッセージが届きました。

 

「薗田さんがお休みの日なのにすぐに返事をもらえたことが、本当に一番心強かったです。安心できました」

 

読んで、しばらく画面を見つめていました。

 

そして、同席した日に「他の行政書士にも連絡したのですがつながらなくて。折り返しも来なくて、どうしようかと思っていた」と小さくこぼしていたことを思い出しました。

 

望んでいた結果は出せなかった。

 

申請は通らなかった。

 

それなのに、この方は「心強かった」「安心できた」と言ってくれている。

 

何がその気持ちを作ったのか。

 

書類でも、手続きでも、専門的なアドバイスでもなく。

 

休みの日にすぐ返事をしたこと。

 

それだけだったのです。

 

 

「すぐ返す」ことの重さ

 

振り返ってみると、私は特別なことをしたつもりはありませんでした。

 

連絡が来たから返した。

 

それだけです。

 

しかも内容は簡単なものでした。

 

年末年始休暇中だったため、踏み込んだ対応ができるタイミングではない。

 

「ご相談ありがとうございます。内容を確認しました。お急ぎでなければ休み明けに改めてご連絡します」

 

それだけを送っただけです。

 

詳しいアドバイスも解決策も、何もない。

 

ただ「メールを受け取りました」という一言。

 

でも、その方の立場で考えてみると、全然違う景色が見えてきます。

 

不安を抱えて、勇気を出して連絡した。

 

でも、つながらない。

 

折り返しも来ない。

 

どうしよう、誰に聞けばいいんだろう、もう一度連絡してみるべきか、迷惑じゃないか、それとも諦めるべきか。

 

そういう堂々巡りの時間をひとりで過ごしていた。

 

そこに返事が来た。

 

たったそれだけのことが、その不安の渦をすっと止めてくれる。

 

「ちゃんとつながった」

 

「聞いてもらえる」

 

「ひとりじゃない」

 

その安心感は、どんな的確なアドバイスよりも先に必要なものだったのかもしれません。

 

「すぐ返す」は、私にとっては習慣でしかありませんでした。

 

でも、それが誰かにとって「一番心強いこと」になっていた。

 

その重さを、今回改めてちゃんと受け取った気がします。

 

 

 

結果が出なくても、できることがある

 

行政書士という仕事は、書類を作ることだと思われています。

 

もちろんそれは事実です。

 

申請書を書き、必要な資料を揃え、窓口や機関に提出する。

 

それが中心的な役割のひとつです。

 

でも、ご相談にいらっしゃる方が最初に感じているのは、書類への不安ではなく、状況への不安であることがほとんどです。

  • 「こんなことを相談してもいいのか」
  • 「何から手をつければいいかわからない」
  • 「自分の状況が制度に当てはまるのかどうかもわからない」
  • 「専門家に連絡したら、難しいことを言われてもっと混乱しそう」

そういう霧の中にいる方がまず求めているのは、完璧な答えではなく、「話を聞いてもらえる場所」なのだと思います。

 

今回のお客様も、きっとそうでした。

 

申請が通るかどうかもわからない段階で、ただ「一緒に行ってほしい」と言ってくれた。

 

その言葉の裏には、「ひとりでいたくない」という気持ちがあったのではないかと思います。

 

結果を出せなかったことは、今でも悔しいです。

 

要件さえ満たせていれば、と思わないと言えば嘘になります。

 

それでも、隣にいたことに意味があった。

 

そう思わせてもらえたことが、この仕事をしていて本当によかったと感じる瞬間のひとつです。

 

 

寄り添うことが、この仕事の本質だと思う

 

「寄り添う」という言葉は、最近いろんな場面で使われるようになって、少し軽くなっている気がすることもあります。

 

でも私は、この言葉をとても大切にしています。

 

寄り添うというのは、同情することでも、ただ話を聞くだけのことでもない。

 

その人が今どこにいて、何を怖がっていて、何を求めているか。

 

それをちゃんと感じ取って、必要なときに必要なかたちで、そこにいること。

 

連絡が来たら返す。

 

わからないことはわからないと正直に言う。

 

できないことはできないと伝えながら、それでもできることを一緒に探す。

 

結果が出なくても、その後のことを一緒に考える。

 

それが、当事務所の考える「寄り添う」です。

 

書類を作る技術は勉強すれば身につきます。

 

制度の知識は調べれば増えます。

 

でも、人の不安に気づいてそれに応える姿勢は、意識し続けなければ錆びていくものだと思っています。

 

今回の贈り物と、あの言葉は、その姿勢を手放さないでいるための大切な道しるべになりました。

 

 

申請が通らなかったこと、望んでいた形でお力になれなかったことは、今でも心残りです。

 

それでも、あの日隣に座っていたことが少しでも支えになっていたなら、それ以上のことはありません。

 

この仕事を続けている理由を、また一つ丁寧に教えてもらいました。

 

これからも、すぐ返す。

 

ちゃんと聞く。

 

そばにいる。

 

その当たり前を、当たり前のまま続けていきたいと思います。

 

現在、手続きのことで不安を抱えていたり、「こんなこと相談していいの?」と迷っている方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

答えがすぐ出なくても、一緒に考えます。