「これから孤独死が増え、事故物件も増えるだろう」
先日目にしたこの記事に、私は深く頷かずにはいられませんでした。
不動産会社に勤めていた頃、私は数件の孤独死や自死の現場を目の当たりにしてきました。
そして今月、お世話になっていた方が賃借していた事務所内で自ら命を絶たれたという悲報に接し、言葉にならない動機と動揺を感じています。
今の世の中、こうした事例は決して他人事ではなく、ここいわき市でも現実として向き合わなければならない問題です。
「更地」にしても消えない告知義務
一人暮らしの方が室内で亡くなり、発見が遅れてしまった場合。
その物件を売却・賃貸する際には告知義務(心理的瑕疵)が生じます。
ここで多くの方が誤解されているのが、「建物を解体して更地にしてしまえば、もう言わなくていいのでは?」という点です。
結論から申し上げますと、告知義務はなくなりません。
たとえ更地にしたとしても、その土地で何があったのかを買い手に伝える義務は残ります。
当然、買い手が付きにくくなったり、大幅な値引き交渉の材料になったりと、資産価値に大きな影響を及ぼします。
大家さん、相続人が直面する「損害賠償」のリスク
賃貸物件でこうした事態が起きた場合、大家さんは深刻なダメージを受けます。
次の借り手が付きにくい、特殊清掃が必要になる……。
こうした損失に対し、大家さん側から連帯保証人や相続人に対して損害賠償が請求されるケースも少なくありません。
また、相続人の間でも「誰がこの物件を引き受けるのか」で揉める原因になり、遺産分割協議が難航する火種にもなります。
相続登記の義務化と「過料」の落とし穴
法改正により相続登記が義務化されましたが、心理的瑕疵のある物件を「率先して名義変更したい」と思う相続人は少ないでしょう。
義務違反には、過料というペナルティがありますが、これは前科が付くような刑罰ではありません。
しかし、放置すればするほど、不動産は「負の遺産」として家族に重くのしかかってきます。
家族の数だけ、相続の「正解」がある
預金や株式と違い、不動産、特に事故物件となってしまった不動産の相続は、非常に個別性が高く、複雑な感情が入り混じります。
不動産実務を経験し、その過酷な現場を知っている行政書士として、私は単なる書類作成だけではない、「その後のリスクまで見据えたアドバイス」を信条としています。
「この物件を相続して、本当に大丈夫だろうか?」
「大家さんから請求が来ているけれど、どう対応すべき?」
家族の数だけ、相続の事例があります。
法律の知識を常に更新し続け、お客様の不安に論理的に、そして心から寄り添える専門家でありたい。
そう強く願っています。

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