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雑談って得意ですか?って話

先日Xにも投稿したが、私はアイスブレイクというものが苦手である。

 

アイスブレイクというのは、例えば商談などで本題に入る前に場を和ますためのコミュニケーション、所謂雑談の事を指す。

 

さて、これを読んでくださっている皆様はアイスブレイクを含め、雑談というものが得意だろうか。

 

私は言うまでもなく苦手である。

 

 

知り合い(男)には、「酒、グルメ、ゴルフを押さえておけば大抵イケる」と言われたことがあるが、全て興味が無い。

 

 例えお金に繋がるかもしれないという可能性が見えたとしても、食指がピクリとも動かないことをわざわざ調べようとも思わない。

 

営業ができなかった理由がここに凝縮されている。

 

 

まず何から話し出せばいいのかが大変悩む。

 

大抵の導入は天気や今話題のニュースなどだろうか。

 

しかし、私自身、「今日はいい天気ですね」と言われても「はあ、そうですね。まだ少し肌寒いですが早く暖かくなるといいですね」くらいで終わってしまう。

 

そのあと謎の沈黙が流れるのが容易に予想できる。

 

流れる沈黙の中で、これは振っていい話なのだろうか、そういえばこの間こんなこと言ってたな、あれはどうなったんだろう、グルグル回る思考。

 

結局言えずじまいのネタ。

 

その繰り返し。

 

政治の話は基本NGと聞いている為、話題にしたことはない。

 

 

 

では趣味の話はどうだろう。

 

趣味を通じて知り合ったのであれば多少話は広がるかもしれないが、全くの初対面で趣味は何かを尋ねたときに私はそれを分からなかった場合目も当てられない。

 

まず「趣味は何ですか?」と訊く。

 

お見合いでもあるまいし、とも思ってしまう。

 

ましてや趣味を訊いておいて「はあ、、それはどういうものなんですか」等言えるわけがない。

 

仮に分かるものだとしても「楽しいですか?」と訊いたところで、相手は「楽しいからやってるんだろ」としか思わないはずだ。

 

いつからやってるのか、という質問でも「~年前からです」、「週にどれくらいやってるのですか」「週一くらいです。出来ないときもあります」。

 

もはや中学校の英語の教科書のようなやり取りではないか。

 

 

 

私の趣味だってツーリングはともかく、他の動画作成、プログラミングについてあまり訊いてくる人はいない。

 

知識があまりないと質問が浮かんでこないのだろう。

 

私自身そうであるし、これは何に対しても言える。

 

人によっては「え?終わり?何で訊いた?」と思ってしまうかもしれない。

 

 

昔であれば絵や漫画、小説を書くのも好きだったし、楽器やダンスも多少なりとも習っていた為、相手が話題に触れやすそうな趣味もあったが今は全くである。

 

アニメにしたってジャンルが幅広い為、同じアニメ好きでもジャンルが違えば話が弾まない可能性が大きい。

 

 

 

好きな音楽もそうだ。

 

ずっと変わらなく好きなのはクラシックではあるが、蘊蓄が語れるほど詳しいわけでもなく。

 

他のものであっても基本的に洋楽、邦楽、K-pop、ジャズ、ロック等ジャンル問わず聴くが、その時その時で欲する音楽やアーティストが変わる為一概に一生大好きです!という人がいないのである。

 

全てにおいてにわかファンなのだ。

 

 

 

自分を知ってもらう事が大切とよく言われるが、自分をどこまで開示すべきか、そもそも相手は自分を知りたがってるのかと疑問を持ってしまう。

 

逆に相手のことを知ろうとしても、大抵みんな裏と表の顔がある。

 

話をして本当にその人の事が分かるのだろうか。

 

その人の一部を知っただけで、その人の総てを知ったつもりになるのは大変失礼ではないか。

 

あくまで一部であり総てではないのだ。

 

そしてその一部も諸行無常である可能性もある。

 

その傲慢さで、いつまでもその時点のその人をそのままで閉じ込めてしまうのではないか。

 

また、深いところでは自分自身のことすら分かっていない人が多いのではないか。

 

人に対しても自分に対しても、不確かなレッテルを貼ってしまうのでは…。

 

そこまで考えてしまう。

 

 

それに自分を開示するにしても、脳内思考があまりにもコアであるためなのか、両親にですらなかなか付いてきてもらえない。

 

時々意見交換も兼ねて語り合いたいと思う時があるが、未だに哲学、死生観、三次元というこの世の仕組み、己の存在そのものなどについて熱く語り合えた人間がいない。

 

とても寂しい。

 

何だったら「暇だからそんなことを考えるんだ」と言わんばかりのことを吐かれたこともある。

 

時々ボスに振るが、聞いてはくれるし否定はされなくとも「うーん、難しい話だよね」で終わってしまう。

 

仕方ないので、それについては諦めている。

 

 

 

ここまで書いて思うのは。

 

必ず、人には聞かれたくない領域がある。

 

私自身も「何でそれをあなたに言わなければならないの?」と思ってしまう時もたまにある。

 

それを考えてしまうと、これについて訊いていいのだろうか、と考えてしまう。

 

どこまでが相手にとって軽い話題で、どこまでが立ち入り禁止区域なのか。

 

当たり障りのない会話を振りながら、ものすごく言動を観察してしまう。

 

中学から約10年間。特に同年代の人間と、まともに関わったことがない。

 

故に人間関係の構築にはひどく時間を要する。

 

社会的コミュ障と言われればそうかもしれない。否定はしない。

 

傍から見れば雑談に見えても、相手にとってはぎりぎりのラインを攻められてると感じているかもしれない。

 

雑談といっても大変神経を使う。

 

もっと器用になりたいと思う。

 

しかし無神経にはなりたくない。

 

あくまで相手を尊重したうえで、接したいと思っている。

 

一概に雑談といっても私にとってもは大変難しいのだ。

 

 

そう、まだまだ私の修行は続く。

 

一大人、一社会人、一行政書士の前に、人としての修行が。