さて今日はSNSで定期的に話題にあがる行政書士の非弁・非司行為について。
知ってか知らずか誤解されるような発言(実際に行っているかは不明です)や、実際に非弁行為をやってしまった行政書士が逮捕されるニュースなどよく目にします。
昔「特上カバチ」という行政書士が主役のドラマをやっていましたが、ストーリーが非弁行為のオンパレードでした。(ちゃんとストーリー内でそれを指摘していましたが…)
あくまでフィクションとして楽しんで見れるのならいいのですが、見ているのは士業だけじゃなく一般人も多い。
こういうことが出来るのかというイメージを持たせてしまうのも横行する原因のひとつかもしれませんね。(※私もドラマを拝見しましたがフィクションとしては(エンタメとして)面白かったです。)
では、非弁行為・非司行為って結局なんなの?ということ。
非弁行為は聞いたことがある方もいると思います。
弁護士でない者が弁護士の業務とされていることをすること。
もちろん弁護士法違反です。
具体的には、報酬を得る目的で代理人として交渉や示談、協議をすること。
仮に事件性がなくとも(事件性不要説といわれています)禁止されています。
行政書士が許されているのは、あくまで当事者間で話し合ってまとまった内容を契約書や協議書などの書面にすること。
そこで決めた内容に法律上問題ある場合にはその旨を依頼人に伝えることは可能ですが、依頼人の相手方を説得をするなどそれ以上のことは出来ません。
また非司行為というのは、司法書士でない者が報酬を得る目的で司法書士の業務を行うこと。こちらも司法書士法違反となります。
具体例として真っ先に思いつくのは登記関連業務でしょうか。
つまり、不動産や会社設立・変更登記の申請書類の作成、代理申請ですね。
注意しなければならないのは、それに伴う書類の作成や収集も非司行為に当たる可能性があります。
行政書士は会社設立に必要な定款作成や法人で保管が必要な議事録の作成は出来ますが、登記するために必要な株主リストは作成することができません。
SNSでたまたま見かけた行政書士の投稿で、これは行政書士が作成できるのか?ということを事務局に問い合わせたところ「どこに提出するかで考えてみよう」といった返答だったそうです。
が、法務局に申請する法定相続情報一覧図は行政書士でも作成申請が可能なので結構ややこしいですね…。
また、行政書士が作成自体は可能ですが会社の合併契約書等や不動産を含めた遺産分割協議書の作成は細心の注意を払い、非常に気を遣わなければならない部分だと思います。
それに依頼する側もあちこちに足を運ぶのも大変だと思うので、そういった場合は真っ直ぐ司法書士のもとに行った方がよりいいのではと考えています。
もちろんご依頼が来たら決して間違いのないよう丁寧にやらせていただきます。
先日お客様から御紹介したいが行政書士ができることか訊きたいということでご連絡をいただいたのですが、ご相談内容としては登記が前提でありそのためだけの調査と書類取得であったためお断りいたしました。(力不足で申し訳ありません…)
非司行為の場合、なんのための書類でどこに提出するか、はひとつの指標になりそうですね。
行政書士のしっかりとした実務研修制度が整っていないこともありますが、それでも耳にする話は、それはダメだってさすがに分かるでしょ??と思うことも多い。
各人が何が法に触れるのかは日々勉強をしていかなければなりません。
それが法に携わる人間の必要最低限の在り方ではないでしょうか。
コメントをお書きください